ホンダのカブがもたらしたもの


当時の日本の商品にはこうした工業意匠の感覚がほとんど抜けていたのですが、ホンダはこれを率先して取り入れたのです。


そのころから、日本にもインダストリアルデザインの大流行時代が到来するのですが・・・


ホンダ・カブはそのきっかけを作ったという意味でも特筆に値します。


こうして、いま人気のある電動スクーターの発明へとつながっていくのですね。


さて、昭和28年(1953年)というと、バイクモーターの品質は一応実用の線に達し、世間の評価も定まり、しかもこれが作りやすいとあって、きわめてはなばなしい商戦が始まります。


その構造は似たり寄ったりであるから何を宣伝文句にするかは、どの会社も苦心したところ・・・。


そこに真先にうまい手を打って世聞をアッといわせたのがホンダの「赤いエンジンに白いタンク」です。


従来のオートバイの外装といえば、大体が黒みがかった見ばえのしない色。


機械というものは性能第一で色彩などどうでもよい。


それに走り出せばどうせ泥まみれ・・・ということが先入観だったのではないでしょうか?


そこにホンダは婦人の服飾よりもっと鮮明な色彩を持ってきたのだから大評判となりました。

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